2026年8月19日、山口県防府市の誠英高等学校でバスケットボール部と自転車競技部の生徒を対象に、競輪選手養成所の適性試験にも関連する「ワットバイク」と「垂直跳び」の体験会を実施しました。

今回の体験会には地元の防府競輪場で活動する内村泰三選手、富武大選手、山下一輝選手の3名も参加いただきました。

誠英高校, イベント , 競輪普及活動

左から山下一輝選手、内村泰三選手、富武大選手

競輪選手になるための入り口のひとつが、日本競輪選手養成所の「適性試験」です。身体能力などから競輪選手としての適性を測る試験で、他競技から競輪への転向を目指す人にとって、競輪選手になるための道のひとつとなっています。

今回は、バスケットボール部の生徒たちが取り組む様子を中心にお届けします。

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体験会は、JKA職員による競輪についての説明からスタートしました。競輪とはどのようなスポーツなのか。そして、競輪選手はどのようにして選手になり、どのような世界で戦っているのか。

普段、自転車競技とは異なるスポーツに取り組む生徒たちにとって、競輪選手は決して身近な職業ではありません。まずは競輪や養成所の仕組みなどを知ることで、これから体験するプログラムが競輪とどのようにつながっているのかを学びました。

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日本サイクルスポーツセンター 野田尚弘さん

競輪について学んだ後は、いよいよ身体を動かします。今回、実技指導の中心を担ったのは、日本サイクルスポーツセンターの野田尚弘さん。

いきなり測定を始めるのではなく、まず行われたのはストレッチです。

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野田さんの指示に合わせ、生徒たちは身体を動かしていきます。ただ身体を伸ばすだけではなく、それぞれのストレッチが身体のどの部分に働きかけているのか、どのような意味があるのかについても解説が加えられました。

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ストレッチは競輪のためだけの特別な準備ではありません。身体を正しく動かし、自分が持っている力を発揮するために必要なことは、バスケットボールをはじめ、さまざまなスポーツにも共通し、生徒たちも学びになっている様子でした。

仲間の声を受けて全力ペダリング

生徒たちはグループに分かれ、「ワットバイク」と「垂直跳び」の測定に挑戦しました。

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ワットバイクでは初めての体験に、開始前に少し戸惑った様子も見られましたが、力の入れ方や漕ぎ方のレクチャーを受けると徐々に笑顔も見られるように。

誠英高校, イベント , 競輪普及活動
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ワットバイクに表示されるペダリングの指標の解説を受ける生徒たち

合図とともに6秒間の測定がスタート。全力でペダルを踏み込みます。

誠英高校, イベント , 競輪普及活動
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周囲からは、「いける!いける!」「もっと!」と、仲間たちから自然と声援が飛びます。

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測定を終えると、表示された数値を見ながら「どうだった?」「すごい!」と盛り上がる生徒たち。競い合ったり、仲間の挑戦を応援したりと、楽しみながらワットバイクを体験していました。

一方では垂直跳びにも挑戦します。適性試験合格者の平均は80cm弱。

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普段から跳躍の動きがあるバスケットボールに取り組む生徒たちですが、助走なしで飛び上がる垂直跳びにはコツも必要となり、苦戦する様子も見られました。

すべてのグループが体験を終了すると、富選手によるワットバイクの実演が行われました。

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プロの競輪選手によるパワフルなペダリングに、生徒たちは驚きの声をあげていました。

ただの体験会ではなく、アスリートとしての学びを

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すべての測定を終えた後、野田さんから生徒たちに向けて講義が行われました。テーマとなったのは、スポーツにおける「パワー」です。

「力がある」といっても、スポーツでは求められる力の発揮の仕方はさまざま。どのように筋肉を使い、どのタイミングで力を発揮するのかによって、パフォーマンスも変わります。

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今回体験したワットバイクや垂直跳びも、それぞれの数値だけを競うことが目的ではありません。「自分はどのような力を持っているのか」、「どうすれば、その力をより効率よく発揮できるのか」。自分自身の身体について知ることが、競技力を高める第一歩になります。

ダッシュ、ジャンプ、切り返しなど、短い時間のなかで大きな力を発揮する場面が繰り返されるバスケットボールにも、今回学んだ身体の使い方はつながっていることが伝えられました。

午後からは自転車競技部の生徒たちも参加

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午後には自転車競技部の生徒たちも同じように体験会に参加しました。全国大会でも活躍する選手たちに合わせて、より専門的かつ具体的な情報が講義では伝えられました。

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今年の選抜大会ケイリンで優勝した毛利元晴さんの姿も

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ワットバイクの経験がある生徒たちも多く、よりトレーニングに近い形で指導が行われました。

誠英高校 バスケットボール部 参加者の声

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左から原清正さん、下瀬瑛琉さん、山田虎毅さん

1年生 山田虎毅さん

今日のイベントを通して、筋肉の使い方や力の入れ方を学ぶことができました。講習でも競輪選手について知ることができて、すごく夢のある職業だなと思いました。富選手の実演は、少し距離があるところから見ていたんですけど、それでも漕いでいる時の音や風がしっかり届きましたし、体全体で踏み込む迫力を感じました。

2年生 原清正さん

率直に楽しかったです。楽しかった中で、自分自身の身体を知ることができ、筋肉について興味を持つことができました。ワットバイクは6秒でもすごくきつかったので、それを1分とか、もっと長い時間やると考えたら、本当に大変なことだと感じました。

3年生 下瀬瑛琉さん

同じスポーツ競技でも、自分たちとは違った体の使い方や筋肉の使い方を今日学ぶことができて、自分たちにとって良い時間になったと思います。ワットバイクはとてもきつかったです。でも、もっと良いスコアを出したいなと思いました。富選手の実演は、自分たちが漕いでいる時とは音も足の回転も全然違って、すごく迫力がありました。本当に驚きました。

防府競輪場 選手の声

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山下一輝選手

Q:今回はバスケットボール部という、別競技に取り組んでいる生徒たちが参加しました。実際に見ていて、どのような印象を受けましたか?

山下選手:やっぱり一人ひとり違うなという印象がありました。ペダルを回す動きって、最初からある程度備わっているものなのかなと感じる子もいましたね。最初はなかなか回せない子もいれば、すごく器用に回す子もいて、見ていて面白かったです。

内村選手:こちらから見ていても勉強になりますね。人それぞれ、乗り始めた時の動きが違うんだなと思いました。一体感もありましたね。同じ部活動の仲間同士だからこその雰囲気があって。一度みんなで同じ経験をすると盛り上がりますし、そういう意味でも素晴らしい体験だと思います。

富選手:最初は部活の取り組みの一環としてただ参加したという感じかと思っていましたが、実際には皆さん楽しみながら、賑やかに取り組んでくれたので良かったですね。

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富武大選手

Q:この中から、将来競輪選手を目指す子が出てきたらうれしいですね。

山下選手:少しでも意識してくれたらうれしいです。すぐに『競輪選手を目指します』というのは難しいと思うんですけど、何かのタイミングで今日の経験を思い出して、それがきっかけになってくれたら。

富選手:地元の学生たちなので、何年か経って競輪を見る側になる人もいるかもしれませんしね。

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内村泰三選手

Q:競輪という存在を知ってもらえただけでも良いイベントでしたね。

内村選手:僕たち選手と同じ目線で話せる機会は普段はなかなかないので。そういう意味でも素晴らしいイベントでした。

今取り組んでいる競技の先にある、新しい可能性

競輪選手を目指すわけではない生徒にとっても、今回の体験は、自分自身が持っている力を別の角度から知る機会となりました。同時に、今回の体験会には「競輪選手」という選択肢を知ってもらうという意味もありました。

競輪の世界では、自転車競技だけでなく、さまざまなスポーツを経験してきた選手が活躍しています。現在取り組んでいる競技で身につけた脚力や瞬発力、身体の使い方が、将来武器になるかもしれません。自分の可能性は、今取り組んでいる競技のなかだけにあるとは限りません。

高校生たちが楽しみながら挑戦した今回の体験会が、生徒たちにとって新しいスポーツや将来の選択肢を知るきっかけとなりました。

 

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