知られざる自治会長のシゴト/中田拓也候補生×髙﨑千賀候補生の特別対談
各回生ごと、1名ずつが任命される「自治会長」。
約1年間の養成所生活をよりよいものにするべく、さまざまな役割を担っているという自治会長は、日々どんなことをしているのか?
127回・128回生の自治会長を務める中田拓也候補生と髙﨑千賀候補生に、対談形式で語っていただきました。
対談の様子は、後日動画も公開予定です!
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自治会長とは、候補生と養成所のパイプ役
Q:そもそも、自治会長というのはどういう役割なのでしょうか?
中田:役割は多岐にわたりますが、ひと言で言えば“候補生と養成所のパイプ役”のような存在だと思います。
高﨑:集団生活を送っていくうえで不便があった場合に、候補生から出た意見を取りまとめて、調整をしたり養成所に要望を出したりということが多いですね。意見があがった時には、自治会長同士で相談をすることもあります。
Q:自治会長はどのように選出されるのでしょうか?
中田:年長者の候補生が自治会長になることが多いそうです。自分は最年長というわけではないのですが、自分を含む年長組が集められた時に立候補しました。
高﨑:私は最年長ということで、みんなから「自治会長をやってほしい」という声をもらい、「ぜひやらせてください」と自治会長になりました。
Q:前任の自治会長から引き継ぐ、マニュアルのようなものがあるんですか?
高﨑:いえ、そういったものは特になく、自治会長に任命された日からみんなに会長と呼ばれるようになるという(笑)。
中田:よりよい養成所生活にするために、自分で役割を作っていく、という部分もあるかもしれないです。僕ら次第で今回生がどうなるかも変わっていくので、責任は感じますね。
自治会長あるある:スピーチが大変
Q:自治会長ならではのやりがいや苦労はありますか?
中田:年齢も出身地もさまざまな70人(男子候補生)をまとめる、というのはなかなか経験できることではないと思いますね。
高﨑:具体的な仕事のひとつとして、朝の点呼のときに、毎週“グループ長*”を任命するという役割があります。中田候補生と交互にその役割を担っているのですが、大勢の候補生を前に朝礼台の上にあがる、というのは貴重な経験だと思います。卒業したあともお客様の前に立つことは多いので、そこに慣れるという意味でいい経験だと思いますが、すごく緊張します。
*各候補生が各週持ち回りで務める、生活におけるリーダーのような役割。
中田:わかります。グループ長を任命したあと、短いスピーチするのですが、それは毎回緊張しますね。ちょっとわかりにくいので、実際にやってみましょう!
(実演)
高﨑:中田候補生は、スピーチで笑える感じに持って行こうとするよね(笑)。
中田:できるだけ、みんなに和んでもらいたいなとは思ってます。
高﨑:たしかに毎週同じだとつまらないし、みんなに「一週間頑張ろう!」と思ってもらいたい。何日か前から、「次のスピーチは何を言おうかな」と考えてます。
中田:それ以外では、なにか困ったことがあった時に「自治会長お願いします!」と頼られるのは、ありがたいけど大変ではあります。
この間は、男子から「タモ網が足りないから買ってくれ」と要望がありました。池にいる鯉をみんなで愛でているのですが、池のゴミを掬うためのタモを増やして欲しい、と。さすがに「それは自治会長の役割とは関係ないのでは」と思いましたね(笑)。
尽きない朝会トーク
Q:お互いの働きぶりはどう見ていますか?
高﨑:朝礼でのスピーチ含め、もう完璧だと思います。
中田:いやいやいや!高﨑候補生が朝礼台の上に立った時の、「なにが来るんだ?」という身構える雰囲気もすごいですよ。特に、夏帰省前のスピーチは素晴らしかったです。
高﨑:「夏帰省まであと○日になりました!」とカウントダウンしたときね。本当は、すごいハイテンションで行こうかなと思ったんですが……。
中田:朝6時半からハイテンションはさすがに(笑)。
Q:任命式のトピックが多いですね(笑)。中田候補生は記録会の時に試技を終えた候補生を率先して労ったり、高﨑候補生は写真撮影の時にみんなを笑わせたり、率先していい空気を作ることを意識しているように感じていました。
高﨑:みんなの指針となるような姿勢、ということは考えています。たとえば教場で教官から「行くぞ!」と声がかかった時に、私がいちばんに大きな声で返事をするとか。
中田:授業の時も、高﨑候補生は先生の言うことに対してめちゃめちゃうなずいてますよね。
高﨑:ちゃんと聞いてます、というのが話している相手に伝わらないとよくないですからね。あらためて言われると恥ずかしいです(笑)。
中田:あれはすごいですよ。自分も周りに目を光らせながら、場の空気が和むような動きは意識しています。競走訓練の後には、「あのレースよかったよ!」と個別に声をかけたり。
高﨑:そういう気配りは素晴らしいですよね。
嫌なこともハッキリ言わなくてはならない
Q:候補生の姉貴・兄貴分として、個別に相談が来ることもありますか?
高﨑:めちゃくちゃありますね。
中田:今のところ、それがいちばんの役割かもしれないですね(笑)。やっぱり集団生活なので、細かい問題はどうしても起きてしまう。
高﨑:そうだね。指導というと言い過ぎですが、ハッキリと言わなきゃいけないようなシーンもあります。自治会長として、そういう時には悪役を買って出なくてはいけないと思っています。
中田:そういう意味でも、年上のほうが適しているのかもしれないですね。
高﨑:言いすぎたかな……と反省して寝られない時もありますね(笑)。
Q:自治会長ならではのメリットみたいなものはありますか?
中田:自分は入所する前から自治会長になりたいと思っていたので、シンプルにやってて楽しいですね。性格上、前に出たいタイプでもありますし。
高﨑:それはすごいよね。私が思うのは、いろんな候補生と話す機会がある、ということ。“会長”として認識してされているので、男女関係なく気軽に話しかけてもらえる。仲良くなるきっかけが多いのはメリットだと思いますね。
中田:この場でなければ出会うことのなかったはずの人と話せる、というのは大きいですよね。
高﨑:特に男子は70人もいるからね。もし自治会長じゃなかったら、話すことなく卒業してしまう人もいるかもしれない。
Q:たくさんの候補生と話して性格も知っている分、競走訓練では誰がどう動くか、みたいな予測もしやすいのでは?
中田:たしかに、それはあるかもしれないですね。自分はもともとロード出身なのですが、その時から「性格がレースに出る」と感じていました。性格がわかっている分、組み立てはしやすいですね。
高﨑:そうだね。男子のレースを見ている時も、性格が出ていて面白いなと思います。
デビュー後もいい関係でありたい
Q:養成所生活も残りは約5か月。今後への意気込みや想いはありますか?
中田:とにかく「いい回生にしたい」という思いが強いですね。
高﨑:うん。それが一番だと思います。
中田:養成所にはプロの競輪選手になる、という同じ志を持った人が集まっています。その目標に向けて、選手としても、人としても、成長できたとみんなが実感できたらいいですね。
高﨑:これまで過ごしてきて、両回生ともすごくいい雰囲気だなとは感じています。私たちはライバルでもあり、仲間でもある。卒業後もいい関係を築いていきたいですよね。特にガールズケイリンは、地方だと練習相手が少ないケースもあります。だから、年に1度は集まってみんなで練習できたらいいね、という話はしています。
中田:卒業したらみんなで会う、ということはどうしても少なくなってしまうとは思いますが、ここでの生活や訓練がベースになることは間違いありません。デビューしたあとも、「127・128回生は強い」と言われるようになったら嬉しいですね。