小原乃亜候補生と中野楚樂候補生が優勝 第129・130回生「第1回トーナメント競走」レポート
日本競輪選手養成所では、候補生たちが実戦さながらの勝ち上がり形式で競い合う訓練「トーナメント競走」を年に2回実施しています。
11月17、18日にかけて、今回生たちにとっては最初の「トーナメント競走」が開催されました。
トーナメント競走とは?
実際の開催を模した競走訓練。
男子は「予選1・2」→「準決勝 / 選抜 / 一般」→「決勝 / 順位決定 / 特別選抜 / 選抜 / 一般」を、女子は「予選1・2・3」→「決勝 / 選抜 / 一般」を2日間にわたって実施。
候補生たちは1日2走ずつ計4走を走り、本番の競輪同様「優勝」を競います。
実戦特有の空気


トーナメント競走は、デビュー後に求められる“勝負勘”や“レース対応力”を養うための重要な訓練のひとつ。


レースの組み立て方や駆け引き、イレギュラーへの対応など、普段の訓練では学びきれない“実戦特有の空気”を体験できる貴重な機会です。


入場も本番さながらに行なわれ、ピリピリとしたいい緊張感のもと、次々にレースが展開していきます。
なにが良かったのか、なにが悪かったのか

各レースの直後には、そのレースの出走者全員が集まり、VTRを見ながら教官による講評が実施されます。

結果に関わらず、いまのレースの走りでどこが良かったのか、なにが悪かったのか。
レース直後に、第3者視点の映像を見ることで、次につながる学びを得ることができます。
勝ちを求めるだけではない


レースは、全員で作り上げるもの。
危険につながってしまうような動きや、消極的な走りになってしまった候補生には、時に厳しい声もかけられます。
結果を求めるのと同時に、レースに臨む姿勢や競走を作り上げる意識といったことが重要視されているのも、このトーナメントあるいは候補生たちが日々励む競走訓練の特長といえるかもしれません。


いよいよ決勝
2日の午前までの予選を終えて、迎えた決勝レース。女子は、以下の7名が決勝へ進みました。
女子 決勝メンバー

| 車番 | 名前 |
| 1 | 山田南 |
| 2 | 小原乃亜 |
| 3 | 栗山百花 |
| 4 | 川上いちご |
| 5 | 鈴木媛子 |
| 6 | 古山稀絵 |
| 7 | 緒方詩央里 |

積極的にレースを進めた緒方候補生を、残り半周で小原候補生が捕まえ先頭へ。

その後ろから山田候補生、栗山候補生が進出し最後の直線。

外から伸びた栗山候補生と小原候補生がほぼ同時にゴール。

どちらが勝ったかわからないほどの接戦でしたが、わずかに残した小原候補生が優勝。大外から脚を伸ばした川上候補生が3着。

小原候補生は、2日間4レースすべてで1着となる完全優勝となりました。
男子 決勝メンバー
男子の決勝は、以下の9名の候補生によるレース。

| 車番 | 名前 |
| 1 | 小笠原匠海 |
| 2 | 髙橋奏多 |
| 3 | 渡邉諒馬 |
| 4 | 田沼龍弥 |
| 5 | 吉川敬介 |
| 6 | 中野楚樂 |
| 7 | 鶴健志 |
| 8 | 福田海響 |
| 9 | 冨倉巧 |

外から主張した福田候補生が先頭の位置を取り、残り2周。吉川候補生が早めに動き先頭へ。しかし、さらに冨倉候補生も仕掛けていきます。


残り半周で吉川候補生が再び先頭に立ち、最後の直線へ。


2番手の位置に入った中野候補生が鋭く伸びて、見事に1着でフィニッシュ。

中団から脚を伸ばした福田候補生、田沼候補生がそれぞれ2着、3着となりました。

神山所長から賞状が

すべてのレースを終え表彰式。成績上位の候補生には、神山所長から賞状が送られました。

最後には、「勝ちたい、先行したい、上位に入りたい。いろんな思いな込められたレースに感じた。力を発揮できない者も多くいたと思うが、この経験を糧にして次のステップに進んでもらいたい」と教官の講評が送られ、「第1回トーナメント競走」は幕を閉じました。
▼結果はこちらから
第129・第130回生第1回トーナメント競走 決勝
第129回選手候補生 競走成績一覧表
第130回選手候補生 競走成績一覧表