日本競輪選手養成所に入所するための試験は、大きく分けて2種類。
「技能試験」「適性試験」を含む『一般試験』と、『特別選抜試験』が存在します。

この記事では、「特別選抜試験」について解説します。

※本記事は、2025年度の情報にあわせて内容を追記し、情報を更新しています。

特別選抜試験とは?

第1回トーナメント競走, 日本競輪選手養成所(JIK), 第129・130回生

特別選抜試験とは、主に「スポーツにおいて世界レベルの実績を持った方」のための制度。

ポイントは「自転車以外のスポーツ」も対象となっていることで、具体的には、

オリンピック大会に出場して、(公財)JKAが特に認めた成績を収めた者。
世界選手権競技大会に出場して、第1位から第8位の成績を収めた者。また、自転車競技以外の競技については、(公財)JKAが認めた大会であること。
ワールドカップ大会あるいはそれに類する大会に出場して、第1位から第3位の成績を収めた者。また、自転車競技以外の競技については、(公財)JKAが認めた大会であること。

と定められています。
また、国際自転車競技連合が設置する「世界自転車競技センター」にて、トラック競技のトレーニングに6月以上参加した場合でもこの制度は利用可能です。

参考:)
第131回(男子)特別試験募集要項(PDF)
第132回(女子)特別試験募集要項(PDF)

過去の特別選抜試験での入所者は?

特別選抜試験での入所者一覧

氏名 選抜理由
86回 植松仁 1998年長野五輪 スケート・ショートトラック
男子500m 銅メダル
2010年引退
88回 武田豊樹 1998年ソルトレイクシティ五輪 スピードスケート
男子500m 8位入賞
現役
88回 大森慶一 世界自転車競技センターにおける訓練受講 現役
88回 永井清史 世界自転車競技センターにおける訓練受講 現役
90回 北津留翼 世界自転車競技センターにおける訓練受講 現役
91回 柴崎淳 世界自転車競技センターにおける訓練受講 現役
92回 牛山貴広 2005世界オールラウンドスピードスケート選手権大会
男子500m 優勝
2023年引退
117回 原大智 2018年平昌五輪 フリースタイル競技
モーグル種目 銅メダル
現役
119回 窪木一茂 2016年リオ五輪
オムニアム 14位
現役
121回 近谷涼 2017年UCIトラックワールドカップ第4戦
チームパシュート 2位
現役
121回 一丸尚伍 2017年UCIトラックワールドカップ第4戦
チームパシュート 2位
現役
129回 松田祥位 2024年UCIトッラクネーションズカップ香港大会
チームパシュート 2位
在所中
(2026年デビュー予定)
129回 兒島直樹 2024年UCIトラックネーションズカップ香港大会
オムニアム 3位
在所中
(2026年デビュー予定)
129回 近内三孝 2020年東京五輪 ウエイトリフティング
男子67キロ級 7位
在所中
(2026年デビュー予定)

ウィンタースポーツから競輪へ──特別選抜試験という選択

自転車競技の世界大会でのメダル獲得のほか、「世界自転車競技センター」での訓練受講による制度利用選手が多くを占める中で、注目なのは「ウィンタースポーツ」からの転向。
スキーモーグル選手としてオリンピックでメダルを獲得した原大智選手の受験も大きな話題を集めました。

特別選抜試験とは?

原大智選手

また、『ソルトレイクシティ五輪』スピードスケート 男子500mで8位入賞という実績を残し、その直後に「特別選抜試験」を利用して入所した武田豊樹選手は、『KEIRINグランプリ』に10度出場という実績を持つベテラン選手。

武田豊樹選手

もともと競輪選手を目指しており、23歳で養成所の試験を受けるも不合格、その後スピードスケートで結果を残して28歳で競輪選手としてデビューを果たした、というストーリーも広く知られています。

ウィンタースポーツ、特にスピードスケートでは、夏季トレーニングとして自転車を取り入れるケースも多く、競輪との親和性が高い競技とされています。その流れから、梅川風子選手や松井宏佑選手など、競輪界のトップ選手も多数輩出しています。

129回生では新たに3人が合格

さまざまな背景を持つアスリートの門戸となっている特別選抜試験。
直近では、2025年入所の129回生(男子)にて、松田祥位・兒島直樹・近内三孝の3人が合格しました。松田候補生と兒島候補生は、トラック競技ナショナルチームメンバーとして国際大会で活躍。

また近内候補生は、『東京オリンピック』にウエイトリフティングで出場したという経歴の持ち主。そのキャリアチェンジも注目を浴びました。

【第129回生 注目候補生インタビュー】近内三孝 ウエイトリフティングで東京五輪出場 第2の選手人生

申込は「3月中旬」まで可能

例年8月中旬に受付を締め切る『一般試験』と異なり、この『特別選抜試験』は3月中旬まで応募が可能(2025年度の応募は3月9日まで)。つまり、自転車競技や他のスポーツに打ち込み、特別選抜試験の資格を満たしたら応募する、ということもできます。

特にウィンタースポーツ経験者は、冬季オリンピックを終えた直後、あるいはその翌年に特別選抜試験を受験をするケースが多いことも特徴のひとつ。通常2月頃に行われる冬季オリンピックを経て一区切りをつけ、セカンドキャリアとして競輪を選択するというケースも多く見られます。

なお、実績には対象となる期間があることにはご注意を。入所時期から遡って4年、たとえば2025年度(2026年入所)なら、2022年4月以降の成績が対象となります。

どんな試験を受けるの?

特別選抜試験で実施されるのは、「身体検査」と「人物考査」の2つ。
「身体検査」では聴力・視力・疾患の有無などを検査するほか、「人物考査」では口頭試問や作文などが課題が出され、考査を行うこととなります。

また、応募期間が長いこともあり、応募タイミングに応じた試験日が設定されていることも特徴のひとつです。

2025年度の例:
10月31日までの応募者→男子:12月2〜3日 / 女子:11月26日に試験
以降の応募者→3月中旬から下旬のうち指定された1日に実施

一気に競輪選手への道が開けるかも?

狭き門ではありますが、他競技で優れた実績を残した選手が、競輪選手として新たなキャリアを歩んでいるのも事実です。
特別選抜試験は、そうした可能性を広げる制度のひとつと言えるでしょう。

2025年度の「特別選抜試験」の応募締め切りは「2026年3月9日」まで。
特別選抜試験への応募をご希望の方は、以下の「お問い合わせフォーム」よりご連絡を、

お問い合わせフォーム

なお、特別選抜の条件に合致しない場合でも、適性試験の一次免除の対象となる場合もありますので、興味のある方はぜひ詳細をご確認ください。

第131回(男子)特別試験募集要項(PDF)
第132回(女子)特別試験募集要項(PDF)

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