特別選抜試験とは?
日本競輪選手養成所に入所するための試験は、大きく分けて2種類。
「技能試験」「適性試験」を含む『一般試験』と、『特別選抜試験』が存在します。
この記事では、「特別選抜試験」について解説します。
特別選抜試験とは?
特別選抜試験とは、主に「スポーツにおいて世界レベルの実績を持った方」のための制度。
ポイントは「自転車以外のスポーツ」も対象となっていることで、具体的には、
・オリンピック大会に出場して、(公財)JKAが特に認めた成績を収めた者。
・世界選手権競技大会に出場して、第1位から第8位の成績を収めた者。また、自転車競技以外の競技については、(公財)JKAが認めた大会であること。
・ワールドカップ大会あるいはそれに類する大会に出場して、第1位から第3位の成績を収めた者。また、自転車競技以外の競技については、(公財)JKAが認めた大会であること。
と定められています。
参考:)
第129回生 特別試験募集要項(PDF)
第130回生 特別試験募集要項(PDF)
過去の特別選抜試験での入所者は?
限られた条件ではありますが、2019年以降でも4名がこの制度を利用して入所。
特別選抜試験での入所者一覧(2019年以降)
回 | 氏名 | 選抜理由 |
117回 | 原大智 | 2018年平昌五輪 フリースタイル競技 モーグル種目 銅メダル |
119回 | 窪木一茂 | 2016年リオ五輪 オムニアム 14位 |
121回 | 近谷涼 | 2017年UCIトラックワールドカップ第4戦 チームパシュート 2位 |
121回 | 一丸尚伍 | 2017年UCIトラックワールドカップ第4戦 チームパシュート 2位 |
なかでも、スキーモーグル選手としてオリンピックでメダルを獲得した原大智選手の受験は大きな話題を集めました。
なお、国際自転車競技連合が設置する「世界自転車競技センター」にて、トラック競技のトレーニングに6月以上参加した場合でもこの制度は利用可能。
過去に、北津留翼選手(90期)らがこの方法で入所しています。
申込は「3月中旬」まで可能
例年8月中旬に受付を締め切る『一般試験』と異なり、この『特別選抜試験』は3月中旬まで応募できることも大きな特徴。
つまり、自転車競技や他のスポーツに打ち込み、特別選抜試験の資格を満たしたら応募する、ということも可能です。
どんな試験を受けるの?
特別選抜試験で実施されるのは、「身体検査」と「人物考査」の2つ。
「身体検査」では聴力・視力・疾患の有無などを検査するほか、「人物考査」では口頭試問や作文などが課題が出され、考査を行うこととなります。
また、応募期間が長いこともあり、応募タイミングに応じた試験日が設定されていることも特徴のひとつです。
2024年度の例:
11月1日までの応募者→男子:12月3〜4日 / 女子:11月27日に試験
以降の応募者→3月下旬から4月上旬のうち指定された1日に実施
一気に競輪選手への道が開けるかも?
「競輪の素質豊かな者を広く募る」のが、候補生の募集における基本理念。
狭き門ではありますが、他競技で優れた実績を残せば、一気に競輪選手への道が開けるかもしれません。
2024年度の「特別選抜試験」の応募締め切りは「2025年3月17日」まで。