卒業記念レース直前! あの選手はどんな成績を残していた?
3月16日(月)、17日(火)に開催される第129回・第130回選手候補生の卒業記念レース。
この戦いを制する候補生は、デビュー後“期待の新人”として注目を集める存在になります。
過去を振り返ると、1984年『ロサンゼルスオリンピック』スプリントで銅メダルを獲得し、1990年には『KEIRINグランプリ』を制した坂本勉元選手や、特別競輪8勝の実績を持ち、現在もS級選手として活躍する小嶋敬二選手など、数々の名選手が卒業記念レースで結果を残してきました。
さらに、『KEIRINグランプリ』通算16回出場(歴代最多)など数々の記録を打ち立て、2025年4月より日本競輪選手養成所の所長を務める神山雄一郎所長も、卒業記念レースの勝者のひとりです。

では、卒業記念レースで好成績を残した選手たちは、実際にどのような活躍をしているのでしょうか。
過去のデータやトップ選手の実績とともに、傾向を振り返ります。
4人に3人はS級選手として活躍中!
2016年から2025年の10年間、卒業記念レース(男子)で決勝3着までに入った計30名の現級班(2026年2月時点)は、S級1班10名、S級2班13名、A級1班3名、A級2班1名、A級3班3名。デビューしたばかりの選手も含めても、約4人に3人がS級に在籍している計算になります。

また、同30名のうち多くがA級2班への特別昇班を経験しており、そのほとんどがデビューから2年以内の昇班。その後、S級2班への特別昇級も果たした選手も数多くいます。

森田一郎(第125回生卒業記念レース優勝)。2024年9月にA級3班、10月にS級2班へ特別昇級した
S級S班選手は卒業記念レースでどうだった?
トップ選手の称号である「S級S班」は、『KEIRINグランプリ07』以降の制度として知られています。
これまでS級S班に在籍した経験を持つ選手は約71名で(2026年2月時点)、そのうち卒業記念レースで優勝経験を持つ選手も複数います。
“初代SSレーサー”である荒井崇博選手(長崎・82期)や、2022-25年まで3年連続でS級S班の座を保持した新山響平選手(青森・107期)、ナショナルチームメンバーとして2度のオリンピック出場経験をもつ中川誠一郎選手(熊本・85期)などが、卒業記念レース王者として名を連ねています。

新山響平(第107回生卒業記念レース優勝)
《卒業記念レースで優勝経験をもつ歴代S級S班選手》
神山雄一郎(栃木・61期)、三宅伸(岡山・64期)、小嶋敬二(石川・74期)、手島慶介(群馬・75期)、荒井崇博(佐賀・82期)、中川誠一郎(熊本・85期)、井上昌己(長崎・86期)、成田和也(福島・88期)、新山響平(青森・107期)
また、3着以内まで広げると、後閑信一元選手(群馬・65期)や清水裕友選手(山口・105期)、脇本雄太選手(福井・94期)など、のちに競輪界の頂点を争う選手たちの名前も見えてきます。

脇本雄太(第94回生卒業記念レース3着)
新たな女王候補の誕生は?
男子のような昇級・降級制度がないガールズケイリンでは、『ガールズグランプリ』出場経験が“強さ”を測る分かりやすい指標のひとつです。
2012年に女子競輪が復活して以降、『ガールズグランプリ』に出場を果たしたのは合計25名。うち14名は卒業記念レースで3着以内の結果を残しています。
2017年と2024年覇者の石井寛子選手(東京・104期)は卒業記念レース優勝、2018年から2020年の3年間女王となり不動の人気を誇る児玉碧衣選手(福岡・108期)も2着となるなど、卒業記念レースで上位の成績を残した選手が着実に活躍している傾向にあります。

石井寛子(第104回生卒業記念レース優勝)
世界で羽ばたく選手も多数
また、卒業記念レースの上位には、ナショナルチームの一員として自転車競技でも活躍する選手が多く並ぶのもひとつの特徴。養成所には、世界での活躍が見込まれる選手が所属する「HPD(ハイパフォーマンスディビジョン)」もあるため、こうした傾向も自然なものと言えそうです。
三神遼矢選手(福島・127期)や仲澤春香選手(福井・126期)は卒業記念レースで優勝。また、中長距離種目で日本を牽引する内野艶和選手(福岡・120期)や、BMXからトラックに転身した酒井亜樹選手(大阪・128期)も上位でフィニッシュしています。他にも、梅川風子(東京・112期)、小原佑太(青森・115期)など、後に世界に舞台で輝いた選手たちも、卒業記念レースを上位で終えています。

内野艶和(第120回生卒業記念レース2着)
日本から誕生したケイリンの世界チャンピオン、山﨑賢人選手(長崎・111期)と佐藤水菜選手(神奈川・114期)も例外ではありません。一方で、山﨑賢人選手は2着、佐藤水菜選手は3着と、後の世界チャンピオンであっても、卒業記念レースでは優勝できなかったというのも興味深いデータです。

佐藤水菜(第114回生卒業記念レース3着)
卒業記念レースは、養成所生活の集大成。しかし同時に、それぞれの競輪人生が本格的に動き出すスタートラインでもあります。
この舞台で刻まれる一瞬は、これから何年も続く物語の、確かな第一歩。
“養成所最後の戦い”が未来へどうつながっていくのか、ご注目ください。