目指すは“最強の回生” 第129・130回生 卒業式を挙行しました
2026年3月19日、日本競輪選手養成所にて第129回生(男子)・第130回生(女子)の卒業式が実施されました。
数日前に行われた卒業記念レースを終え、候補生たちは養成所生活の締めくくりとなるこの日を迎えました。
5月の入所から約10か月。日々の訓練や競走を通じて積み重ねてきた時間が、この卒業式をもって一区切りを迎えます。

会場には候補生の親族や来賓の方々が集まり、凛とした雰囲気のもと式典が執り行われました。
式の冒頭では、訓練中の事故により亡くなった候補生に対し、黙祷が捧げられました。
表彰
卒業式では例年、優秀な成績を収めた候補生の表彰も実施されます。
今回生で表彰されたのは、以下の候補生たち。
ゴールデンキャップ賞

記録会において、ゴールデンキャップ(帽色「金」)を獲得した者
【129回生】
長川達也(埼玉)
伊藤京介(三重)
高木海安(福島)
松田祥位(静岡)
小笠原匠海(東京)
冨倉巧(京都)
渡邊諒馬(愛媛)
中村嶺央(千葉)
佐藤凱王(埼玉)
横溝貫太(福岡)
財満伊織(熊本)
髙橋奏多(大阪)
沢田桂太郎(大分)
𠮷岡竜太(広島)
木曽田晃大(京都)
白井輝(石川)
吉川敬介(東京)
福田悠航(福島)
川村琢磨(青森)
宮田龍一(大阪)
鴨下佳朋(愛知)
榊枝天旺(福島)
渡邉拓(栃木)
中野楚樂(宮城)
片岡遼真(福井)
【130回生】
伊藤梨里花(愛知)
川上いちご(千葉)
小原乃亜(岩手)
山田南(千葉)
最優秀学業賞

学業の成績が最も優秀だった者
冨倉巧(京都)
川上いちご(千葉)
最優秀技能賞

沢田桂太郎(大分)
小原乃亜(岩手)
新記録賞

伊藤京介(三重) ※第3回記録会 400mTTにて記録
髙橋奏多(大阪) ※第3回記録会 400mTTにて記録
沢田桂太郎(大分) ※第3回記録会 1000mTTにて記録
川上いちご(千葉) ※第2回記録会 400mTT、第3回記録会 500mTTにて記録
功労賞

選手候補生自治会の会長・副会長
沢田桂太郎(大分)
西原裕太郎(佐賀)
古山稀絵(静岡)
前田真希(福岡)
国際賞

在所中に国際大会で活躍し、選手候補生の模範とするに足ると認めたため
兒島直樹(福岡)
報奨金賞

129回生57人、130回生15人の計72人に授与
神山所長からの式辞

式典では、神山雄一郎所長より卒業生に向けて式辞が述べられました。
所長として初めて卒業生を送り出すことに触れ、「身の引き締まる思いと同時に、大きな責任も感じています」と語ります。
そのうえで、「自分の可能性を信じ、些細な努力も惜しまず全身全霊で競輪と向き合ってほしい」と呼びかけました。
競輪は「日々の積み重ねが結果に直結する競技」であり、「努力は成功だけでなく自己成長として必ず積み重なる」と強調。「その成長の先にこそ成功がある」と述べ、日々の積み重ねの重要性を伝えました。
日本競輪選手会 安田理事長からの送る言葉

続いて、日本競輪選手会の安田光義理事長より卒業生に向けて言葉が贈られました。
「全員がタイトルを獲得し、スターになれるわけではない」という現実に触れたうえで、神山所長と同期であることに言及。「神山雄一郎という名前は伝説として人々の記憶に残る存在だが、自身はそうではない」と語りながらも、「それでも競輪選手としての誇りは負けていない」と強調しました。
また、「強くなること、スターを目指すことは大切だが、それだけが目的ではない」とし、「まっすぐ前を向き、誇りを持ち続けることが大事」とメッセージを送りました。
最後に、「競輪選手として誇りを持ち続けてほしい」と締めくくり、卒業生の今後に期待を寄せました。
自治会長の答辞

式典では、自治会長を務めた沢田桂太郎候補生(第129回生)と古山稀絵候補生(第130回生)が答辞を述べました。
沢田候補生は、「養成所での日々は一生忘れられないほど濃い毎日だった」と振り返り、指導にあたった教官や支えてきた関係者への感謝を表しました。
そのうえで、「これからはより厳しい世界で戦っていくことになるが、養成所で出会った仲間や先生方の言葉を支えに乗り越えていきたい」と述べ、「競輪界を牽引できる選手になることを誓います」と力強く語りました。
続いて古山候補生は、神山所長のもとで学んだ日々を振り返り、「練習の大切さや、全力を出し切ることの重要性を教えていただいた」と語りました。

養成所生活については、「ともに歯を食いしばりながら訓練に打ち込み、支え合ってきた同期は、これからかけがえのない存在です」と言葉を続けるなかで、思わず声を詰まらせる場面も見られました。
その言葉からは、厳しい訓練をともに乗り越えてきた仲間への強い想いがにじんでいました。
恒例の帽子投げも
式典を終えた候補生たちは、噴水近くの広場へと集まりました。
養成所の卒業式の名物ともいえる「帽子投げ」。男子・女子それぞれが輪を作り、最後の瞬間を迎えます。
男子候補生の輪では、「神山所長の1期生であることを忘れずに」「練習しかないという言葉を胸に刻んでほしい」といった言葉が掛けられました。

さらに、「もしサボろうとした時があっても、誰かが見ている。天国から仲間も見ている。そして自分自身が見ている」という言葉とともに、「成長することをやめないでほしい。最強の回生にしよう」と呼びかけられ、仲間同士でその思いを共有しました。
一方、女子候補生の輪では、「ホームで2回、バックで打鐘」という掛け声が響きます。

これは訓練中、教官から繰り返し掛けられてきた言葉。その教官も輪の中に加わり、最後の掛け声が送られました。
養成所での日々を象徴する言葉とともに、候補生たちは一斉に帽子を宙へと投げ上げました。
それぞれの舞台へ

卒業式を終えた候補生たちは、養成所を巣立ち、それぞれの道へと進んでいきます。
卒業記念レースでの「最後の決着」を経て迎えたこの日。養成所で積み重ねてきた時間に一区切りをつけ、新たな一歩を踏み出しました。

今後は全国各地でトレーニングを重ねながら、5月より始まるルーキーシリーズに臨みます。
第129回生・第130回生の今後の活躍に、ぜひご期待ください。
卒業生コメント
沢田桂太郎

男子競走訓練成績1位
卒業記念レース1位
自治会長として成績も求められますし、仲間や先生方からの信頼も裏切れない、気を張った1年間でした。トーナメントで決勝に乗れなかったことや、目標としていた早期卒業を達成できなかったことなど挫折も味わいましたが、養成所記録も更新できましたし卒業記念レースで優勝できたのでオールオッケーです(笑)。
それぞれに尖りがあって、それをさらに伸ばそうとする意識が高い期だったと思います。まずは連勝してS級まで上がりたいという思いです。その先は、地元の記念やG1で優勝してグランプリに乗れるような選手になりたいです。今は、まずピザを食べたいですね(笑)。
小原乃亜

女子競走訓練成績1位
いざこうして卒業式の日を迎えてみると、あっという間だったなと思います。これだけの人数、そしてさまざまな年齢の人が集まり、同じ競技をして過ごすというのはなかなかない経験ですし、たくさんの刺激をもらいました。アドバイスを求めてもらえることもあり、そのなかで気づく部分もたくさんありました。とても学びの多い1年でした。卒業記念レースで落車してしまった時は「やってしまった……」と落ち込みましたが、体は大丈夫です。
これからは競輪選手として、そして一社会人として、いろんな人の力になっていけたらと思っています。成長し続けられる、勝ち続けられる選手になりたいです。
川上いちご

女子卒業記念レース1位
本当に充実した一年で、あっという間でした。序盤は精神的にも肉体的にもハードでしたが、養成所記録の更新や第2回トーナメント競走・卒業記念レースでの優勝と、良い思いをたくさんさせてもらえました。デビューに向けては、神山所長も「練習しかない」とおっしゃっていましたし、たくさん練習するつもりです。じつは、先生時代に教えていた生徒から、養成所に年賀状が届いたんです。「ホームページを見ています」と書いてくれていて、すごく嬉しかったです。G1優勝、ガールズグランプリ出場できる選手になって、喜んでもらえたらと思います。(最優秀学業賞も受賞したことは)ここは取らないと、と思っていました(笑)。