男子競輪よりと比べると「国際基準」に近いルール
絡み合う思惑がないからこそ、
シンプルに自分の力で戦える
「ライン(連携)は組めない」「カーボンバイクを使用」と、ガールズケイリンは男子の競輪と比較すると「競技のケイリン」に近いルール。
これは「女子ケイリン」が初めて採用された2012年のロンドンオリンピックに足並みを揃え「世界で活躍できる選手の強化」を目指す形で、国際基準の要素が取り入れられたから。実際、ガールズケイリン選手からケイリン世界チャンピオンが生まれるという成果も出ています。
日本競輪選手養成所では、2011年5月に初めて35名の女子候補生が入所。その多くが現在も現役選手として活躍しており、候補生が、初代女子候補生と同じレースを走る可能性もあります。これは、男子競輪では見られない、女子競輪ならではの光景です。
男子競輪の特徴である「ライン(同地区などの選手で連携すること)」は、ガールズケイリンでは禁止されています。レースは7人で行われ、体をぶつけ合うような過度なブロックも禁止。それでいてスタート直後から自由に位置取りをして良いなど、「競技のケイリン」と「日本の競輪」のハイブリッド型のルールです。
自分の力だけで戦えるシンプルさが、ガールズケイリンの特徴であり魅力でもあります。
男子は成績ごとに所属級班(カテゴリ)が分かれていますが、
ガールズケイリンはL級1班のみ。全ての選手が同じカテゴリで戦うため、新人選手がトップ選手と同じレースに出ることも。
シビアである一方、下剋上のチャンスが与えられているとも言えます。
ガールズケイリン最上位レースであるガールズグランプリ(GP)は、年に1回、12月29日の夜に、勝ち上がり戦なしの一発勝負で行われます。
出場できるのは年間4回あるG1の優勝者と、賞金ランキング上位者。1年をトップで走り抜けた「選ばれし7人」だけにだけ許される、夢の舞台です。この舞台に上がる権利を得るため、ガールズケイリン選手たちは1レースも無駄にすることなく、己と向き合い続けています。
ファン投票で出場選手が決まる8月の女子オールスター競輪も、GP出場権を得られるG1レースのひとつ。
日頃の頑張りがファンの支持という形で実を結び、特別な舞台へ押し上げてもらえる、想いの詰まった一戦です。
ガールズケイリン選手のバックグラウンドは、自転車競技経験者のほか、
陸上、スピードスケート、バスケットボール、バレーボールなどさまざま。
中には学校の先生、会社員、美容師、タレントという例も。
「もう一度スポーツと向き合いたい」「プロアスリートとして生きていきたい」と考える
さまざまな女性たちが、ガールズケイリンの世界で活躍しています。
中長距離の選手として自転車トラック競技日本ナショナルチームに所属し、現在は競輪選手として第一線で活躍する吉川美穂選手。レースのない1日をどのように過ごしているのか密着しました。