適性入所候補生16人のアンケートから見えた、入所までの本音
「自転車の経験がないけれど、競輪選手にチャレンジしたい」といった方を主な対象としている「適性試験」。しかし、実際に受験を検討する中で「自分のスポーツ経歴は合格基準なのだろうか?」「合格したとして、ついていけるだろうか?」など、不安に思うことも多くあるでしょう。
JIKでは2026年に入所した第131・132期候補生のうち「適性試験で入所した候補生」16人にアンケートを実施。どのような経歴を持ち、どのように受験の準備をしたのかなどを聞きました。その②となる本記事では「受験から事前入所期間」に関する質問結果から、皆様の役に立ちそうな情報をお届けいたします。
▼その①(検討〜受験まで)の記事はコチラ
目次
練習場所は意外と確保できる。問い合わせを
受験本番へ向けた対策として、適性入所の候補生たちはどんなことに取り組み、また準備を進めていたのでしょうか。
Q. 入所までの間、主にどのような環境でトレーニングを行っていましたか?(最も近いもの2つ)
合格発表後から入所までの間、どのようなところで練習・トレーニングしていたかを聞きました。

最多となったのは競輪場。その他、「民間のスポーツジムや施設」「街道(一般道)」も多数回答されています。「自宅(室内トレーナー、ウェイトトレーニング中心)」と回答している人は、別の練習方法と組み合わせている場合がほとんどでした。
また、「その他」として2人が回答。両者とも答えは「大学」「部活動」と、学生としての環境をうまく活用していたことが分かりました。
「何から始めたらいいかわからない」という方も、まずは自分の所属する組織、団体や地域に目を向けてみると、練習する機会を得やすいかもしれません。
Q. 練習場所の確保はスムーズにできましたか?

練習場所の確保としては、ほとんどの人が「元々の所属先や近隣施設で十分だった」と苦労しなかったようです。「やや苦労した」という人からは「遠方まで通う必要があった」「使用許可に時間がかかった」といった回答が寄せられました。なお「非常に苦労した(適切な練習場所が見つからなかった)」という選択肢も用意していたのですが、こちらを選択した人は0人でした。
上の質問と同様、練習を始める場所は意外と身の周りにあることが多いようです。積極的に調べてみましょう。
Q. 受験を決めてから、自転車競技やトレーニングに関する指導者はいましたか?

指導者についての質問では、約9割となる15人が「指導者(競輪選手、元選手、自転車競技コーチ)がすぐ見つかった」と回答しています。「指導者はいないが、アドバイスをくれる人(自転車以外のスポーツ経験者)がいた」と回答したのは1人のみでした。多くの場合、指導者を見つけることができるようです。
全国各地に競輪選手会や愛好会があります。中には、練習会よりも気軽に参加できるバンクライドを行っている団体もありますので、調べてみてはいかがでしょうか。
▼こちらの記事では、最初の一歩について、愛好会についてなどの情報を記載しています。
「まず乗ってみる」「まず門を叩いてみる」も、不安解消の対策に
適性試験では自転車に乗ってタイムを測るような試験科目はないため、必ずしも自転車の練習をしておく必要はありませんが、実際に乗ってみることによるメリットはあるのでしょうか?
Q. 受験することを決めてから合格発表までに、競輪用自転車に乗る練習もしていましたか?

適性試験での受験を決めてから、受験〜合格発表までの期間についての上記の質問では、約4割の候補生が「練習をしていた」と回答しました。
その理由について尋ねたところ、
- 養成所に入所する前に早く自転車に乗りたかったから
- 今回の入所試験に不合格になった場合、技能試験での受験を検討していたから
- 身近に競輪選手がいたから
という回答が寄せられました。それぞれちょうど同数の回答となっており、大きな偏りはありませんでした。
自転車に乗ることによって、適性試験のみならず技能試験への道も開けるかもしれませんし、何よりも経験者と関わることができるので、疑問に思ったことを質問できます。
何も情報がない中で不安になるよりは、「まず一歩踏み出す」という意味でメリットがあると言えます。
また、自転車の練習をするにあたっては「選手になるまでの収入面が不安だった」「機材が高価だった」など、金銭面に関する不安が多く寄せられました。
収入に関してはご自身でコントロールしていただくほかありませんが、競輪場によっては競輪選手を目指す人のために機材を貸し出すなど、サポートの仕組みが用意されていることもあります。お近くの競輪場でそのような取り組みをしている場合、ぜひ活用してみてください。
▼参加費無料、予算面でのサポートがある愛好会(豊橋 T-GUP)の例
Q. 競輪用自転車に乗る練習を「2.していなかった」と答えた方は、その理由を教えてください。(複数回答可)

一方、「受験することを決めてから合格発表までに、競輪用自転車に乗る練習」を「していなかった」候補生たちにその理由を尋ねたところ、上記のように比較的回答がバラける結果となりました。ただし「その他」として「自転車の用意が間に合わなかった」の回答が3人から挙げられており、その点については少々特徴的かもしれません。
不安だったこと・困りごととしても「機材が高価だった」「選手になるまでの収入面が不安だった」が合計5人から回答されています。このあたりも、自転車の用意がスムーズに行かなかったことと関係がありそうです。
また「仕事の都合がつかず、バンクに入る時間をとるのが難しかった」という回答もありました。キャリアチェンジして競輪選手に挑戦する人ならではのお悩みです。
このあたりは、各々のライフスタイルによってさまざまなやり方を講じることができるでしょう。入所前に自転車に乗ることによるメリットはもちろんたくさんありますが、それが叶わない場合は、身体づくりに集中して取り組むという道もあります。入所後のことを考えると不安に思えるかもしれませんが、実は、そこまで心配しなくても大丈夫です。
入所後のことはそこまで心配しなくても大丈夫な理由
合格発表を経て、競輪選手養成所への入所が決定……そんな時期、適性試験で受験した候補生たちにとって一番の不安とは何だったのでしょうか?
Q. 合格発表後、最も不安だったことを教えてください。

多くを占めるのが「入所後の体力や技術」の面。やはり、キャリアチェンジや異業種から競輪選手を目指す人たちにとって「自分が通用するのか?」は大きな懸念材料のようです。
でも、そこまで心配しなくても大丈夫。養成所には適性入所の候補生のために設けられた「事前入所」という期間があります。
事前入所期間とは

競輪選手養成所の入所式は例年5月中旬ですが、その少し前、4月中旬ごろから行われるのが「事前入所」。正式には「適性基本養成訓練及び技能事前入所養成訓練」という名称です。
適性試験で合格した候補生を中心とした、一部の候補生たちが「ひと足先」にJIKに入所するという仕組みで、自転車の乗り方などの基本的な訓練を行い、本格的な訓練開始に備える……というものです。
1カ月ほどかけ、少人数での指導を受ける「事前入所期間」。「それ(合格発表後の不安)は事前入所期間で解消されましたか?」という質問には、約6割が「はい」と回答しています。
具体的にはこのような感想が寄せられています。
- 少人数なので詳しく教官に指導してもらえる
- 分からないことがあればすぐに聞くことができた
- 人数が少ないので、一人ひとりと親しくなった
- 技能組より先に生活しているので、生活に慣れて余裕ができた
- 自分はセッティングが全く分からなかったが、フォームに合わせて改善指導してくれた
- 自転車にたくさん乗ることができる
- 分からないことがあった時、教官の方が親身になって質問に答えて下さり、不安が軽減した
- 他のスポーツ経験者たちの話が聞けた
自転車に不慣れな候補生たちの不安を軽減する効果があるだけでなく、同じような境遇の候補生たちと早くに親しくなることで、意欲を高めたり、新たな知見を得たりすることもあるようです。
未経験でも、初心者でも、門戸は開かれています
日本競輪選手養成所には、毎年様々な候補生たちが入所してきます。競輪選手という職業に興味を持ったら、ぜひ多種多様なバックグラウンドを受け入れる「適性試験」の利用も検討してみてください。